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つぶやき

まえがき
 昨春、子どもに一人暮らしをさせてから、いろいろ考えさせられることがあります。
 乳幼児期にやってこなかったこと、やってやれなかったこと、やらなかったことのつけが今どっと返っています。
 今更子育てをやり直すわけにもいかず、「大人としての自覚」などと訳の分からない親の都合のような言葉で子どもを叱咤激励し、すべてを片付けようとしている自分がつらいです。
 子育ては子どもが生まれた瞬間、というよりそれ以前から始まっていると思います。生まれたときから、20歳のいや30歳になったときの子どもの人格形成に関わっているということは意識していたつもりなのですが、つい仕事に逃げてしまっていた自分を否定することはできません。保育の仕事をしていて、仕事としてはできているのに、親としてできていなかったことをいつも突きつけられています。
 20年先、30年先に私のように後悔するご両親が、一人でも少なくなるよう今の子育てに大切なこと、いろんな先生方の文献を参考に、今月のお便りから少しずつ書かせていただこうかなと思います。是非目を通してくださいね。
ゆいまあるの家 坂田圭子


2003年
4月生活リズム
5月叱ること・ほめること
6月甘えが足りて初めて自立する
7月たかが玩具、されど玩具
8月フラストレーション
フラストレーション 2003年8月
 長崎の事件以来、「被害者になっても加害者になっても困るよね〜。」という声をよく耳にするようになりました。被害者の方の悔しさを思うと一緒にはできない話だとは思いますが、どちらにとっても痛ましいことです。この事件に限らず、青少年いや大人といわれる年齢の人でも凶悪な事件の割には動機が短絡的な物が多いと思いませんか?自分の気持ちのやりどころがなくて、全然関係ない人を傷つけたり殺したり、こういう事件を耳にする度に学生時代に学んだ「フラストレーション・トレランス(欲求不満耐性)」という言葉が思い出されます。 
 この耐性の幅を広げるには、少しづつ欲求不満状態を与えて、徐々に広げていかねばならない。そして耐性の幅を広げつつ、適正なストレスの解消法を身につけていくのが好ましい発達だと言うようなことを習ったように思います。数十年昔のことで教科書もどこかに行ってしまっていますが、体験で確認してきましたので間違いないと思います。
 幼児期にストレスを与えないように、すっぽりと覆って育てておいて、小学校に入ったら急にしっかりしなければと言われても子どもは戸惑ってしまいます。今の子育ての風潮ってそういうところがあると思われませんか?
 子どもの気持ちを理解することと、言っていることを丸ごと聞き入れることとは違うと思います。
 前号のおもちゃの話と同じ事ですが、子どもは身体的・精神的発達をするために色々なことをやります。見方によってはいたずらであり、困ったことでもあるのです。でもその行為を保証しなければ機能も発達しないし、精神的にもゆがみがでてくるかもしれないとなると、何らかの形で保証してあげる方法を考えなければなりません。たとえば物を叩き回る時期があります。何でもかんでも叩かれては困ります。叩いていけない物はなぜいけないのか教えた上で止めなければなりません。 これはストレスになります。止めた上で、「これは叩いて良いよ」と叩いて良い物を準備してあげれば、良い方向での解消法を身につけるでしょう。これは言葉についても同じ事がいえると思います。大人に対して、お友達に対して不適切な言葉を使っているとき、適切な言葉をきちっと教えて言い直す、言い直す行為はストレスになりますが、正しい言葉を覚えることができ、人間関係がスムーズになります。これは何時も言っているように、子どもを愛するからこそ・大切だからこそ知ってもらいたい事ばかりです。小さなストレスというのは、やってはいけない行為であり当然のことなのです。故に年齢に沿って内容は変わりますしここが徐々に変わっていくことが必要なのです。そうすることで「耐性」の幅を広げることができ「パニックを起こしたり」「切れたり」しない子に育ってくれるのです。「そんなん当たり前に言ってるわ」と おっしゃると思うのですが、それができていないお子さんが多いのです。 幸いにしてゆいまあるの子どもたちは、お父さんお母さんに守られて、教えられて育っているのですが、この子どもたちが生きていく時代には、フラストレーション・トレランスの幅が「0」に近い子が増えてきています。この子たちが授業妨害をしたり、先生の注意に切れたり、フラストレーションを弱い子どもに向けていじめたり、校内暴力・少年非行・不登校等の問題行動になっていくのです。自分たちの子どもがこのような状況の中に入っていくと思うと、人ごとでは済ませなくなるのではないでしょうか?同じ世代の子育てをしている一人でも多くの方に0歳児からの子育ての重要性を知っていただき、安心して生活できる社会にしたいものですね。
ゆいまあるの家 坂田圭子
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たかが玩具、されど玩具 2003年7月号
 「お誕生日には子どもの意見を聞いてプレゼントを決め、クリスマスには親の与えたいおもちゃをプレゼントする。」と、知人の玩具屋さんは言っていました。うん、“子どもの欲しがる物必ずしも子どもにとって良い物ではない。”と言うことは、解っているんだけれどついつい・・・・と思いながら‘そうしなければね〜’と共感しながら聴いていました。
 「たかが玩具、されど玩具。」伸びようと言う欲求を叶えるためには玩具の力は必要でしょう。生まれた時から、日々環境に適応しやすいように、器官は発達していると思います。視覚も聴覚も嗅覚も味覚も触覚も、身体的・感情的発達も、チョットした働きかけで、何もしないよりは、より生きていくための力を、適切に身につけていくでしょう。このころの玩具と言っても購入した物ではなく、身近にある物の工夫で十分だと思います。(玩具と認識しないで与えている場合もあると思います。)
 ただ、玩具を与えるのに一番大切なことは、今その子が何を求めているかと言うことを知ることです。何を求めているかというのは、赤ちゃんの場合なら、目で何かを追いかけたいとか、綺麗な音を聞きたいとか、少し大きくなると、手や足を動かしたいとか、口に入れてみたいとか、もう少し大きくなると、穴に物を落としてみたいとか、容器から容器に物を移し替えてみたいとか、物を投げたいとか、叩きたいとか上げていけばきりなくあるのですが・・・・。これらの要求は、その時期の心や体を育てることに、とても必要なことなのです。子どもにとってはとてもやってみたいことで、必要なことです。その事を心ゆくまでさせて貰った子は、又次のステップへと進んでいきます。しかしその要求を手当たり次第に満たされては、困ることになったり、危険なことになったりします。又、どんな形ででも満たせばいいと、やりたい放題にしておくと社会に適応できない子になってしまいます。やりたい行為を困ることだから、危険なことだからと「ダメ」と言うだけではなく、行為を保証する代わりを担ってくれるのが玩具ではないでしょうか。適切なときにその行為をしていると「じょうずじょうず」「すご〜い、できたできた」と、素直に大喜びできるのですが、適切な時期にその行為が出来ず(やらせてもらえず)、年齢が上がってから、乳児期・幼児期にやり残してきたことをやった場合は、「何やってんの」「馬鹿なことするんじゃないよ。」「困った子だね〜」と言うことになるのです。子どもが悪いわけではありません。やらせてあげなかった大人の責任です。何度も繰り返し言っていますが、心も体もこのように育って欲しいと思う方向に、導いてあげて欲しいと思います。
「○○しないので困っています。」と言う言葉を近頃よく耳にします。本当に○○しないのでしょうか? 心からその事がその子にとって必要だと願っていれば、その子の健康上そうしなければならないと願っていれば、必死で訴えるでしょうし、その方向に導くでしょう。私には、○○しないのではなく、○○させていないのだと思えるのですが・・・・。チョットきつい言い方ですか?
自分の出会った子ども達には、昨今のこの厳しい環境の中で、それでものびのびと、素敵に生きていって貰いたいと願っているので、ついつい自分も含んだ大人に厳しくなってしまうのかもね?
子ども一人ひとりは力を持っているし、すばらしい、すごいと思えることがいっぱいです。    存分に発揮してもらえるよう、一緒に考えましょう。話はもどりますがこれから玩具をプレゼントされるときは、是非、遊ばれる玩具(電池でただ動く物等)ではなく、遊べる玩具(創意工夫が必要であったり、想像性が必要だったりする物等)を選んであげて下さいね。
ゆいまあるの家 坂田圭子
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甘えが足りて初めて自立する 2003年6月号
 「甘えが足りて初めて自立する。」これは前の職場でたくさんの事例を目の当たりにし体験もしてきたことです。だから最初に出会った方には、だいたい『いっぱい甘やかせてあげてね。』と言ってしまうのですが、私が思っている甘えと受け取る方とでは微妙な違いがあることに気がつきました。 
「甘え」を「受容」に替えた方がより伝わり易いかなと最近思うようになりましたが・・・。
 赤ちゃんが産まれた時って可愛くて可愛くて、何も答えてくれないのは解っていながらなんだかだと話しかけをしていますよね。そのうち赤ちゃんの泣き声でお腹がすいたのか、眠いのか、抱っこして欲しいのか、何か不快なことがあるのかが解るようになりますね。赤ちゃんからの話しかけです。お母さんはその話しかけに答えます。泣く理由はだいたいこの4つ位なのですが、要求と違う対応をすると泣きやみませんし、お母さんの方がパニックを起こして『も〜』って感じで何とか泣きやまそうと抱き上げたり、外に連れ出してみたり、飲み物を与えてみたりと必死で対応します。一見手をかけて甘やかしているようですが適切ではありません。『やりやすい赤ちゃん』とか『やりにくい赤ちゃん』なんて良く聴きますが、お母さんが赤ちゃんの要求をちゃんと受け止めて適切に対応してきたかどうかということで、赤ちゃんに差があるとは思えません。
(しかし『やりやすい(無反応)赤ちゃん』の中に、要求しても全然答えてもらえないので、要求を止めてしまう『ホスピタリズム』と言われる諦め現象の赤ちゃんもいますからこちらの『やりやすい赤ちゃん』にはしないで下さいね。)
 自分の要求が満たされたわけではないけれど、何となくかわされて泣きやんだ場合、何か不燃焼のまま過ごしていますので、何もないのに泣き叫んだり、親を困惑させる結果になるのです。これは心から満たされていないからです。こういう状況が、自分の意見がハッキリ言葉で伝えることができるようになるまで、しばらく続くのです。

 前の職場でのことですが、1歳児さんのクラスの子で、月曜日になると荒れる子がいました。どんな週末を過ごしているのかとノートを読むと、テーマパークに連れて行ってもらって、楽しそうな様子が書かれています。又、会社の同僚の家族とスキーに行かれた次の日なんか彼の通った後には泣いている子が列を作っていると言っても大げさではないくらいでした。どうして? ノートには楽しんでいる様子が書かれているのに? ご両親が嘘を? いいえそんなことはありません。確かに、部分部分は楽しんでいるのです。でも、外に出ると禁止事項がたくさんあります。我慢しなければいけないことがいっぱい出てきます。ハチャメチャして良いわけがありませんので当然のことです。彼はとてもエネルギッシュな子でしたし、まだそれほど自制心が育っている子ではありません。ご両親は、楽しんでいる部分が目に残っているわけですから又連れて行ってあげようと毎週のようにお出かけしていたのです。しかし彼には楽しい部分より、ストレスの方が大きかったようです。月曜日になると保育園でそれを発散していたのです。彼の要求と、ご両親の配慮の食い違いです。
 ご両親とお話しして、お出かけを控えてゆったり過ごす時間を工夫していただきました。お膝にのせてゆっくり絵本を読んだり、ブロックを組み立てたり、公園に行ってもベンチに座って彼の遊んでいるのを見ているのではなくお砂場遊びをしたり、追っかけっこをしたりと、一緒に遊んでいただくようにお願いしました。それからご両親で話し合われ、毎日、1時間程度お仕事や家事を忘れて彼と過ごせる時間を工夫して下さいました。彼の表情はどんどん穏やかになっていきました。一朝一夕には変化は現れませんでしたが、友だちからただただ恐れられていた彼が、3歳児さんの時には頼られる存在になっていました。元々エネルギッシュで、力を持っている子でしたので、正しい方向付けさえしてあげれば、自分をうまく出していけるのです。こういう例はたくさんあります。

 子どもは、『見て、見てビーム』をいつも大人に向かって発射しています。それをうまくかわさないでドカンと打たれてあげて下さい。認められたいという欲求は、人間誰しもが持っている欲求ですが、この時期特にいっぱい受け止めて、いっぱい認められることが、人格形成上大切なことだと思います。
 上記の彼もそうですが、『僕を見て』『私を見て』と『見て、見てビーム』を発射しているのに何かすれ違いを起こしている子は、『これでも見てくれないの?』『まだ見てくれないの?』と『見て、見てビーム』をだんだん強力化していくのです。そして、わざと大人の困ることをして叱られる事でもいいから自分に注目を引こうとします。叱られているときは、間違いなく自分を見てくれているときだからです。こういう出し方をする子に出会ったとき、心は痛みます。『そんな出し方しなくても、見てるから。もっと違ったところに力を出して』と願いたくなります。
 赤ちゃん帰りもこの一種だと思います。何時までもこの現象が続いているのは、大人が、『受け止めているわよ』と思っていても、子どもの感情とずれがあるのでしょうね。
 心と同じくスキンシップがとても大切です。でも悲しいかな素直に抱っこを求められない子が時々います。この時期いっぱいいっぱい抱きしめてあげて下さい。『私の宝物なのよ。世界中で一番大切なのはあなたなのよ。』という気持を込めて・・・・。
 ご両親の気持ちがしっかり通じて、距離が離れていても自分のことをいつも考えてくれているんだ愛してくれているんだと言うことが通じれば、自ら自立していくと思います。大人を困らせて、気をひく必要もなくなりますし、持っている力を自分が楽しめることに発揮することができるでしょう。
 このときに大切なのは、どういう子に育てたいのか、広い視野に立って 、先の見通しをきちっと持っていることです。そしてよいと思う方向に習慣化することが必要です。
 時々うちの子は○○しない、○○できない。という言葉を耳にする事がありますが、『しない』『できない』のではなく、方向付けをしていないだけだと思います。この子にとってこのことは絶対に知っておくべきだ、できなければ困るときがくるだろうと思えば、いい加減ではなく必死に伝えようと努力するでしょうし、その気持ちは絶対に通じると思います。
 ただ、子どもの気持ちや、その時期に持っている力、理解力等をしっかり把握してあげてくださいね。そしてよいと思う方向は、ご両親の生き方、価値観、人生観、教育観等によって多少の違いはあると思いますし、私たちとも違うと思います。ゆいまあるではスタッフ間で確認しながら方向付けを行っていますが、違うかな?と思われた時はおっしゃってくださいね。
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叱ること・ほめること 2003年5月号
 先日何気なくテレビを見ていると、肥満のメカニズムというのを取り上げていました。肥満になる人は無意識のうちに食べているというのです。それを脳が図式化して、なぜ意識することをやめるのか等と言うことを説明し、その解決方法などを教えていたのですが、“未来日記”をつけて、どれだけ出来ているかを毎日点検し脳に意識させ、無意識の行動をコントロールするということでした。これを見ていて、日頃の子ども達の行動の中の、無意識の行動というのと同じだなと思いました。たとえば、お昼寝ひとつ取り上げても、昼食を食べて、歯磨きをして、歯ブラシを片付けて、パジャマを出して、洋服を脱いで、パジャマに着替える、という一連の動作を毎日やっているのですが、身に付いている子と、身に付いていない子がいます。ひとつひとつの行動の意味を知り、意識してやっている子と流れに流されてやっている子の違いだと思うのですが、ゆいまあるの子ども達には“未来日記”は書けないので、私たちがゆっくり脳に話しかけて意識付けしていくしかないと思っています。しかし、未来日記の内容が一人ひとり違うように脳に語りかける方法も一人ひとり違うんだろうなぁ・・・。よし、がんばろー(何の決意だ?)お家でも、とにかくいっぱいいっぱいお話し(説明)してあげて下さいね。でも、“おとぼけ○○くん”(○○は当サイト管理者の次男ノブと見ました。by管理者)のおとぼけがなくなったら、さみしいかな・・・。
 あれ! 今回お話ししようと思っていたことからチョット話がずれてしまいました。実は、今回は叱ることとほめることについて書いてみたかったのです。一番難しいことかなと思いますが、両方のポイントだけ・・・。
 子どもは、どの子も親の期待に応えたいと思っていることはご存じですよね。そしてそれは親が言葉にださなくっても表情や態度、音声から敏感に感じとっています。その事を頭に入れた上で,ほめることも、叱ることもしていただきたいと思います。ほめる時に「お利口ね、いい子ね。」叱る時に「ダメな子だ、悪い子だ。」等、子どもの行動に対して、人格にふれて云々するような言い方をすると、子どもはどのように評価されるかと言うことを気にするようになります。大好きなお母さんに、いっぱいいっぱい遊んでもらって、いっぱいいっぱいほめられているのに、なぜか自信が持てない子がいました。何でだろ〜とお母さんと一緒に考えた結論として、お母さんの心の声とほめ方にあるのではないかなと言うことになりお母さんが対応を考えてかえてくださいました。子どもさんも少しづつかわってきています。私たちも、「いい子ね」って言いたいときはいっぱいあるのですが、極力「良くできたね。」「ありがとう。」「助かるわ。」「うれしいわ。」と言うようにしています。又失敗したときも、いけないことをしたときも、「今度頑張ろうね。」「○○だったら助かったんだけど。」「ありがとうって言いたかったなぁ。」「かなしいなぁ。」など、子ども達がうまくできたかどうかの評価ではなく、子ども達がしたことに対する感謝、したことで困っている気持、悲しい気持、又、やろうとする気持ちに対する励ましの言葉にしたいと思っています。一緒に一杯いっぱい悩み、考え、やる気と自信を持った子ども達に育てましょうね。
ゆいまあるの家 坂田圭子
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生活リズム 2003年4月号
 今回は、子育ての最初の基本である生活のリズムについて少し書かせてください。
 乳幼児期にはどうしても親の都合で生活をしてしまい「小学校へ通うようになれば、規則正しい生活が自然とできるようになる」と思いがちですが、幼い頃についてしまった生活のリズムは簡単には直りません。遅くても9時には就寝としたいものです。
 生活リズムができあがっていない子は、学校に通うにつれて、学習以前の登校でつまずいたり、集団行動にスムーズに入れなくて、しなくてもいいような苦労やストレスを抱えてしまいます。
 また、朝、身体も頭も起きていないような状況で登校しても午前中の授業は夢の中ですぎてしまうでしょう。

 『生活のリズムをつけるのには「早すぎる」ということはありません。生まれたばかりの赤ちゃんは寝ているだけで関係ないと思われがちなのですが、寝ているだけの赤ちゃんも、朝カーテンを開けて日差しを浴びれば、肌で朝を感じることができるのです。生後一・二ヵ月たち授乳の時間がわかってくるとそれに合わせて生活パターンをつくることができます。「ちゃんと自分でできる子」にしたいということは、何でも好き放題にやらせるということではなく、赤ちゃんのときにきちんとした生活リズムがつくように誘導し、その生活が無意識のうちに身につくことが重要なのです。 』
               (田中君子著 《ちゃんと「自分でできる子」に。》より引用)

 こうして、生活のリズムができ、「早寝、早起き」が習慣化すると、実際に食事、入浴など生活に必要な時間を除いた時間をどのように過ごすか「一日のスケジュール」がたてやすくなります。
 また、朝起きて顔を洗って、着替えをして、朝食を食べて、歯磨きをしてというのを同じパターンで繰り返すことが大切です。その日その日によってする事が違うと、子どもは混乱し指示を待つことになります。最初は大変でしょうが、時間に余裕を持って丁寧につきあってあげてください。(後が楽になります。)
 毎日同じ事を繰り返すことによって言われなくても自分でできるようになります。三歳位までは、非日常的な日がたくさんあるより、同じ事の繰り返しができる方がいいと思います。故にお休みの日もほとんど同じような過ごし方の方がいいのですが・・・。
 お出かけの意味が分かるまでは、遠出をするより近くの公園等でゆっくり相手をしてもらって過ごせた方が、子どもは喜んでいると思います。そして身についた力で生活にけじめを付けられるようにしていきましょう。
 「今は何をしなければならない時間なのか」を、理解でき行動できる子と、そうでない子とでは色々なところで差がでてきます。同じ時間にいくつもの事をしていると、集中していないのでだらだらと時間ばかりかかってしまいます。幼いときからこのような習慣が付いてしまうと中学生・高校生になり、勉強や部活で忙しくなったときに、時間を上手に使えない子になってしまうことがあります。時間をうまく使える子は、次に何をしたらよいのかを考えられ、勉強も効率よくできるものです。「自分が今、何をする時間なのか」考えるトレーニングを今からしておきたいですね。
 ゆいまあるの家では、「自分のやりたいことを見つけ、最後までやる。やりたいだけやる。完結したらかたづけて次のことを始める」ということを大切にしています。どんなに周りが騒がしくても自分のやりたいことをとことんやれる力をみんなが付けてくれることを願っています。それが、「自分の頭で考え、行動できる子どもを育てる子育て」というゆいまあるの家の保育の目標の一つなのです。
ゆいまあるの家 坂田圭子
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